Profile
学生時から抽象を志し、最初は板に寒冷紗を貼り、その上に胡粉、膠、顔料で制作しておりましたが、途中、ネパールのロクタ紙に出会いました。その紙の強靭さに魅かれ、ロクタ紙に顔料、膠、胡粉を用い、描き重ね、時には水で洗い流すような仕事を経て、現在の作品に至っております。その工程の中でロクタ紙の躯体となっているヒマラヤに現存するロクタの木の生命力に感動せずにはいられません。ロクタ紙に自由に即興でイメージを描き、幾度となく色を重ねるうちに、紙が破れ、その度に小麦粉糊でつなぎ、それを続けているうちに革の様な風合いになります。
2016年に全ての作品を手でちぎり、元の原料に戻し紙を作るところから作品制作をしています。蘇生と進化を求めつつ。